音楽についての覚書

 

攻がアンフェタミンと思しき薬物を用いたり、下らない賭けをしたり、受の我儘が炸裂したり、下半身のだらしなさがいよいよ露わになったりしつつある『俺自身を超えた恋について』 https://fujossy.jp/books/21251 ですが、皆様閲覧及びリアクション、痛み入ります。

 

そして下記はこちらにて登場した曲一覧です。随時増えます。

実在の曲でストーリーを方向付けるのは卑怯だなと言う良心の呵責から来る、私の懺悔代わりのゴルゴダの丘と思って頂ければ。そんなマニアックな曲は登場しません。自分の首を絞めるようなメモ書きなのでその内消すかも知れません。

 


イラストはみんな大好きヨルシカのトレスパロディです。すぐそう言う幼稚なことをする…

 


14話

The All-American Rejects  "Dirty Little Secret"

こんな中途半端に陽キャ寄りのメロディを事の最中に流されたらかなり萎える曲。明るい曲調に比して、世間に顔向け出来ない関係を持っている恋人を宥めたり開き直ったりしていると言う歌詞なので、エディはカチンと来たもの。

これが嫌ならデュア・リパなら良いのかとマーロンが皮肉を言っていますが、最近の先進的な子はみんなデュア・リパが好きだろうと偏見を抱いているのは私です。

 


16話

Phil Collins ”In The Air Tonight”

恐らくマーロンの世代的に、2008年にノンポイントがカバーしたパージョンをiPodに入れて聴いていたかと。どちらしろエディは知りません。十年一昔なので2人は今後もジェネレーションギャップに悩まされると思いますが、現時点でエディは断絶に直面しても「マーロンはインテリだなあ」位に思っています。

あと私の周りでリンキン・パークが好きなお兄さんお姉さん先輩諸氏はほとんどややこしい人達ばかりだったので、マーロンも聞いているんだろうなと言うので設定に組み入れました。

 


17話

Blondie "Call Me"

作中で言及した通り、映画『アメリカン・ジゴロ』のテーマソングとなったことでお馴染みなブロンディの代表曲。PVのデボラ・ハリーがとても可愛い。それにしてもエディはリチャード・ギアに何度か噛み付いていますが、恐らく陸軍なので気障な海軍士官にはコンプレックスと軽蔑を抱いているのだと思います。

 

20話

Jamiroquai "Virtual Insanity"

そうでなくても国会議事堂に突入したとか風評被害を受けているジェイ・ケイによる、変なゲームにされてしまった事もある余りにも有名なPVの楽曲。作中の修辞上の問題であって、実際に用いられた部屋は別に変な匂いはしていないと思います。あの時代の微妙にジャジーと言うのかファンクと言うのか、今聴いてもお洒落でありながら時代をちゃんと感じさせて凄いなあと思います。

 


23話

The Beatles "Strawberry Fields Forever"

ビートルズがLSDと超瞑想哲学に両足を突っ込んでいた頃の楽曲。これビートルズ? ドアーズじゃなくて?となること請け合いの不可思議さが魅力。ヘロヘロしたジョン・レノンの声が素敵です。ちなみに作中でマーロンが歩いていたのはレノンがマーク・チャップマンに射殺されたダコタ・ハウス周辺です。ジュディ・ガーランドからルドルフ・ヌレエフまで錚々たる面子が好んで居住した名物アパートですが、レノンも案外ミーハーなのかなと邪推します。

 


25話

Andrew Lloyd Webber “Evita”

これは楽曲ではなくミュージカル全般。軍隊と言う共和党の巣窟じみた組織へ身を置いているエディが、反米主義のポピュリストにどこまで共感出来るのか謎ですが。マーロンと一緒に映画を観た際は「マドンナってやっぱり良いよな」としか言わなかったと思うので、多分マーロンは早々に見解を交わすのを諦めたと思います。チェ・ゲバラのことも「Tシャツのおっさん」位にしか認識していなさそうですし。

 

34話

Anne-Marie みたいな女性

とはあくまでポールが抱いた印象であることに留意。彼はクリーン・バンディットとフィーチャリングした"Rockabye"とか聴いていたのかなと思います。エディ的には自分が"2002"みたいな方向へ恋人との関係を持って行こうとしていると感じていますが、実際は"Don't leave me alone"辺りがぴったり。アン・マリーの空手の黒帯で世界大会の優勝者である健全で逞しい容貌と、時に乙女的な曲を清々しく歌える可愛らしさのギャップ、とても素敵ですよね。

 

40話

Nickelback "Home"

ニッケルバックがダサいのかそうで無いのか、ダサいとするならば、それでも好きだと世間に胸を張って言えるのかどうか結論を出さないまま大人になった世代です。そんな妥協をする人には向いていないバンドなのでしょう。

個人的には、世間が言うほど嫌いでは無いのですが、みんな同じに聞こえるって言うのは否定しませんが(自分の家を燃やして云々って痛烈な皮肉のように思えます)そう言うアルバムってBGMには悪くないですし、それにまあ、大体の人間が自分の好きでもないバンドの曲なんか一々聞き分けられないものだと思います。

ただ、彼らの曲は目覚ましには不適切なように思えます。エディもその辺り踏まえて安眠妨害を仕掛けたものと想定しています。

 

41話

Bruno Mars "Versace On The Floor"

ムーディではありますが、ど直球に恋人をベッドへ誘う曲です。連想としてあながち間違ってはいないものの、このような茶化した引用方法を用いればブルーノ・マーズのファンに張り倒されること必至。私だって張り倒したい。

この曲をイメージした時、エディはハワイ出身であることを含め、歌手とマーロンのアイデンティティがかなり近しいことを完全に忘れ去っていたでしょうし、自分だって陳腐な方法で彼との初体験を済ませたことなど認識していません。

 

55話

Panic! At The Disco "Girls/Girls/Boys"

本歌はGirls love girls and boys。レズビアンの女性が男性と付き合い始めたバイセクシャルの想い人に語りかけているという解釈が一般的。PVもシンプルですが挑発的。

よく考えたらエディはエモがメインカルチャーになった時期のドンピシャ世代ですね。そりゃトキシック・マスキュリニティもお呼びではないです…いや、カウンターとして一番悪い形で引きずってるのでしょうか? 一方マーロンは似た系列のグランジとのちょうど狭間。文化の断絶……

今になると、男性であるブレンドンが女性目線のこの曲を歌うことについて考えてしまったりします。