新作のタイトルについて
新作「とめどなく、おしみなく、たえまなく。」
https://fujossy.jp/books/23111
４話まで公開しております。
【これからお読みいただく方へ】
・「Blue Lotus」の高校教師、野上朔弥が生徒だった頃のお話です。
ただし、今作は「Blue Lotus」とは異なるカップリングとなります。
「Blue Lotus」
https://fujossy.jp/books/4506
・また、「Blue Lotus」スピンオフ短編集「Scarlet Lotus」の「Before I met you」から派生させた内容となります。
「Before I met you」
https://fujossy.jp/books/6729/stories/128141
さて、タイトルについて。
わたくし、自分の作品のタイトルをつけるのは得意ではありません。
自分でいいなと思うタイトルの傾向は、現在の流行とは逆行して、愛想のない二文字熟語のものだったりします。たとえば田山花袋「蒲団」や高村薫「照柿」みたいなの。タイトルからだとミステリーなんだか私小説なんだかさっぱり分からない。そういうのが好みです。
でも、さすがに今のご時世、超人気作家ならいざしらず、私のような非商業ミジンコ文字書きがそんなタイトルをつけても「引き」がなさすぎて読んでいただけない。かと言ってラノベ的な情報量の多いタイトルは自作にはそぐわないとも思っている。更に言えば、タイトル時点で内容をある程度説明してあげる親切心よりも、先入観の排除を優先したいとも思っている。プッシュ型情報がデフォな世代のみなさんには寄り添わないシステムですが、そのへん乗り越えていただける方にこそ読んでいただきたいので、あえてのターゲティングです。まぁ要するに「おれはしゅみで書いてるんだから好きにするんだぜ」ということなんですけれども。
そんなわけで(結局のとこ「わけ」は説明してない気もいたしますが)、毎回タイトルには頭を悩ませています。が、今回は割と早かった。というかタイトルが先だった。
まずは「愛の物語」を書きたいなあ、と思いまして。いや今までも「愛の物語」しか書いてないんだけど、もっと、真正面からね。がっつりと。それで、愛について考えていたら、「天から美しいものが注がれるイメージ」がね、浮かんだんです。その美しいものは、陽の光、あるいは春の優しい雨。そういったものが音もなく降り注いでくる。そういうイメージ。我々は日光や降雨の恩恵を受けて生きているけれど、それらは常に一方通行で、その恩を天に返すことはしませんよね。そんな風に、見返りを求めないままに注ぐ／注がれる感情は美しい。まさに愛ですよね。けれど、同時に相手に「注ぐのを止めてくれ」と言われたところで止められないものでもあって、そういう、「無償だけど独善的」な感情のお話を書きたいな、と。
そんなことを思っていたら「とめどない」「おしみない」「たえまない」といった形容詞が浮かび、それをそのままタイトルにしました。
物語に見合う人物の造形を考えているうちに伊武季のキャラクターができて、「こういう奴、書いたことある気が……」と思ったら朔弥の過去話に出てきた彼、というところに行きついて生まれたのが、今作です。
と、ウキウキ創作話を書いたはいいのですが、今日の更新分でストック１回分しかなくなったので、結構焦っているのでした。いいかげんこの自転車操業癖をやめたいものですね(ハナホジ)。
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