ツーリスト 4

ツーリスト 4

え?席離れちゃった!と言う声で振り返ると、もう1人同じくらいの若い女性がいる。
ごめんね、私が遅れたから、席離れちゃって、
こんなのあり?前と後ろなんて、声高にしゃべる片方に、押されてばかりのもう1人。
俺たちの方を見て、訴えるようにしゃべる子とすまなさそうなロングヘアーの女性。騒々しいなどうするんだよと思っていた時に、僕、代わりましょうか、席を立った彼。

エ?いいんですか?と言う言葉で、しまったと思ったけど、
もう遅かった。
喜んだ女性の大げさなアクションの間に席は交代され、声高の女性が俺の隣に、そして彼は俺から見えない前の列の窓際に移ってしまった。