ツーリスト 5

ツーリスト 5

2人思う通りに収まった女性たち。特に後から押し込んむように交替をした女性は、兎に角俺に話しかける。まるで隣になったのが当然のように。
たまらない、俺は前の席が気になって、さっきからイライラしっぱなしなんだ。
その荒だった気持を押し隠すために、余計に2人の女性に丁寧に接することになる。俺の性分、仕方がない。

彼の隣には体格の良い俺たちより少し上の年頃のビジネスマンが座った。

もどかしい、話しかけることはおろか、俺にだけ囁く甘い声を聞くこともできない。