ツーリスト II 短編連載します
ツーリスト II
ニワトリ
朝の目覚めはすぐそばにある
恋人の髪の毛に起こされた。
ホテルの普段彼の使わないリンスの香り。
フラジパニの甘さの入ったその香りにくすぐられ、いつもより早い時間に眼が覚める。
程よく硬いスプリングに、肌触り良いシーツ。
そして、よく冷えた室内。
それでも朝からニワトリが朝を告げるなきごえがするのが、
バリらしくて可笑しくなる。
恋人との4日間。
どこまで愛せるかやってみようか?
そっと、薄いまぶたに、キスをする。