ヘビースモーカーの思い出

「その恋の向こう側」更新しました。

第346話 いつか晴れた日に(1)
https://fujossy.jp/books/1557/stories/73206

 

VOICE→NOISE→SMOKE

 

と、なんとなくシリーズっぽくしていたシリーズ(なにそれ)は終わり、新章です。

やっと2人きりだわ。しばしばメインカップルを見失う「その恋~」ですが、諦めないでくださいませ。
メインカップルばっかり読みたい方は、同じカポーの前作「10days」がお勧めです。

 

 

SMOKEの章でお葬式が出てくるのに際して、最初はもう少しスルッと葬儀に赴かせるつもりだったのですが、考えてみたら和樹は半年前まで高校生だった18歳であることを思い出しまして、18歳って葬式に慣れていないよなあと思い至り、こんな流れになりました。

 

私の記憶では、自分が初めて葬儀に参列したのは小学生の頃です。親戚のお通夜でした。でもそれは親に連れられて行っただけです。まったく一人で参列した初めての葬儀は、和樹と同じく大学生の頃のことでした。1年生の時に、大学生協主催の、研修旅行と銘打った単なる旅行がありまして、学部もばらばらの40人ほどの大所帯のグループで、1ヶ月近く海外旅行に行きました。亡くなったのは、その引率をしてくださった教授です。学部が違っていたので講義を受けたことはありませんが、1ヶ月近く生活を共にしていたわけですから、それなりに親しくさせていただいておりました。旅行の2年後に亡くなりました。旅行の時には既に病魔に侵されていたようです。ヘビースモーカーでした。小嶋先生と違って、がんになっても煙草は止めなかったようです。遺影も煙草をふかしていらっしゃるお姿でした。

 

今、このブログを書いているうちにその教授のことを思い出しました。こうして書き出してみると、初めての葬儀の緊張と、煙草の記憶は私の中でどこか結びついているものだったのかもしれません。その教授も、禁煙していればもっと長く生きられたんじゃないかという思いが小嶋先生を禁煙させたかもしれないし、最期まで自分らしくいたいという教授の力強さが、久家の禁煙しない姿勢に反映されているかもしれません。

 

作品というのは、しばしば思ってもみない方向に動き出すものですが、やはりこんな風に深層の部分では自分の中にあるものを吐きだしているのだなあと思ったりします。

 


☆ファンタジーコンテストの短編もよろしゅうに。

星月夜(ほしづきよ)
https://fujossy.jp/books/4137/stories/71389
※1話完結


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