『Blue Lotus』完結しました

2作品、更新のお知らせでございます。

「その恋の向こう側」第382話 君と見る夢(19)
https://fujossy.jp/books/1557/stories/81551

 

「Blue Lotus」第10話(最終話)
https://fujossy.jp/books/4506/stories/78711


「その恋」のほうは、今話を持ちまして、この章、終わりです。いわゆるエイズの話で、非常に書きにくかった、というのが正直なところです。
どういったところが書きにくくて、またそれなのにどうして書こうと思ったのか。
その辺り、昨日Twitter上で感想いただいた方への返信として書きましたので、こちらに転載いたします。
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AIDSという病気が日本で話題になった当初、「ゲイ、娼婦、麻薬中毒者がかかる病気」という偏見がまかり通っていたかと思います。その後「薬害エイズの人は完全な被害者だけど、ゲイ娼婦麻薬中毒者は自業自得」という論調もありました。今でもその印象のままの人がいることは否めません。でも、私は、それは間違っていると思います。輸血だったり医療従事者で感染するケースもあるし、「普通の」恋愛の結果、という人もいる。そして、実際にゲイ娼婦麻薬中毒者で、それが原因で罹ったとしても、その命は等しく尊重されるべきで「自業自得」と切り捨てられてはいけないと思います。というのを、少し盛り込みました。と言っても、あまり詰め込むとね、読み物として楽しくなくなっちゃうので、これ以上は突き詰めるつもりはないのですが。
何か伝わるものがあったらいいなーと思ってます。
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当然のことながら、本作品は娯楽のための創作物です。ここで日本のAIDS対策について問題提起したいわけでも、ゲイ差別について議論したいわけでもありません。


私としては、今回の章もこれまで通り、「和樹と涼矢」の成長譚の過程であり、彼らの乗り越える山の一つ、といった位置づけのつもりで書いております。
(別に、この件で批判されたとかでは全然ないのですが、念のため)。

 

ま、カタイ話はこれで終わりで、今回の見せ場は、涼矢さんの歯に衣着せぬラブコール(「歯に衣着せぬ」の使いかたおかしい)です。
後半にはスピンオフ「はつ恋」の主人公、明生くんが出てきます。割とすぐ引っ込みますが。ようやっと「はつ恋」とリンクしはじめてくるので、今後はそんな感じがちょいちょいあるかも。あ、でも、クリスマスと正月でさえまだだからなあ。その先ですね、明生くんが前に出てくるのは。ええもちろんまだ書いてないです、そんな先のこと(そんな先ってほど先じゃない)。

 


さて、「Blue Lotus」。
最終話です。日々読んでいただいた方、完結を待って読んでいただいた方、ありがとうございます。これから読んでみる!!という方、よろしくお願いします。

 

最初からコンテストにエントリーする作品として書いたので、「学園もの」「卒業」というテーマに沿って枠組みを考えました。

その際、和涼のシリーズも高校の卒業から始まっているため、似ない内容にする必要がありました。同級生や先輩・後輩ではなく、先生と生徒、という関係にしたのも、一番の理由はそこです。

 

と言いつつ、やっぱり互いに影響しているところはあって、たとえば、「その恋」では、和樹のバイト先の小嶋先生が「自分たちはずっとここにいるけど、こどもたちは入れ替わっていく」といった意味のことを言うシーンがあります。ここは、「Blue Lotus」を書いている時に、ふと思ったことです。

 

教師は、生徒を送り出してはまた迎え、迎えては送り出し。その繰り返しなんですよね。

 

野上は育てて送り出す側の人間。蓮は巣立っていく側の人間。それが先生と生徒の基本の関係です。そういう2人が愛し合った時には、原則、先生と生徒という関係でなくなるのを待つしかない。言い換えれば、待ちさえすれば誰憚ることもなく祝福される関係になれるかもしれない。もっと乱暴に言ってしまえば、卒業さえしてしまえばこっちのもの。

 

でも、それが叶わなかったら?
しかも、本人たちのどちらのせいでもなく。

 

そんな風に理不尽に引き裂かれる2人、を書こうと思いました。

 

と同時に、ハッピーエンディングにすることは、最初から決めていました。
それと、「口約束を延々信じ続ける大人」を書いてみたかったんですよね。あの時の感情に任せた一言を、あなたはずっと信じてくれてたんですね?……みたいな、メルヘンを。

 

というわけで、『Blue Lotus』とはそういうお話です。無理くりなまとめ。やー、ネタバレせずに書くのって難しいね!! あと、「実はこのシーンはこういうことが言いたくて書いたんです」とかさ、それってこんなとこに書くんじゃなくて、作品で伝えなきゃじゃん、だしね? とにかく「そういうお話」です。

 

そして最後にお礼を。昨夜更新した途端に、超速レビューをいただきました。紅(こう)さん、ありがとうございます。レビューのほうにはコメントつけられないので、こちらでお礼を申し上げます。

 


☆学園BLコンテストエントリー作品
「Blue Lotus」
https://fujossy.jp/books/4506

 

☆140字SS置き場(twitterのモーメント機能使ってます。twitterアカウントなくても読めます)
https://twitter.com/i/moments/944109389501235200

 

☆Twitter
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