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 わけがわかっていない風の秀人の前に、明嗣は片膝をついてその手を取る。 「好きだ。愛してる」 「はあ?」  秀人が真っ赤になって手を引こうとするのを、明嗣は許さない。 「君が中学の頃に活躍するのを知って注目していた。高校生の時にはもう好きだった。こうして出会えたのはまさに天啓だと思う。愛してる」 「あ、愛してるって、俺はあんたのこと、な、何もひらにゃい」  秀人は口が回っていない。 「助けて、くれたのは、す、すごく感謝してるけど……、あ、愛なんて……」 「じゃあ、これから僕のことを知って。僕の考えも、僕の心も、僕の体も、全部」  秀人は口をぱくぱくしている。  明嗣は秀人の手にキスをした。秀人がびくっと震える。 「ヒートを利用するようで悪いけれど、まず体から僕を知ってよ、秀人」  秀人の顔が赤くなって、体は全身が震え始めていた。抑制剤の効き目が切れてきたのだろう。フェロモンの甘い香りも再び広がり始めた。  口をへの字に結び目をぎゅっとつぶった秀人が、かっと目を開けた。 「ゴムをつけてくれるならっ、今日は、いい、よ……」  だんだん尻すぼみになって肩が落ちてくる。  明嗣はもう一度秀人の両手の甲に代わる代わるキスを落としてから立ち上がると、秀人の唇にキスをした。 「仰せのままにしますよ、我が君」

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