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加賀谷が来るというので、遥は「仕度」をさせられた。その上、今夜は後ろ手に縛られた。
「SM変態親父が」
遥がつぶやくと、湊が「申し訳ございません」と心から済まなそうに頭を下げる。そして、その手にある物の意味は遥にもわかる。
「俺の下品な話は聞きたくないってわけだな」
「そのような意図が隆人様にあるとは思えないのですが……」
湊がさらに済まなそうに首を縮み込ませる。
じゃあ父さんの話をさせたくないってことか?
文句は言うが、仕方なく舌圧子 のついた猿ぐつわをされるままになる。これでもう舌を動かすことができない。言葉が出せない。
以前一度だけ逆らい、ボールギャグをされたことがある。あの男の前でよだれを垂れ流す屈辱はもう二度と味わいたくない。
更に湊が出してきたものに、遥はうんざりした。
それはアイマスクだった。
やっぱり変態じゃないか。
視界をふさがれながら、遥は心の中で罵る。
情報を遮断された状態で待つ時間はとても長かった。
アイマスクをはずしたい衝動に駆られる。
さっさと来て、一発すませて帰れ、変態!
罵りの言葉を思い浮かべれば浮かべるほど、屈辱と惨めさが増していく。遥はその相手に逆らえない状況にあるのだ。
人の気配を感じた。足音は気がつかなかった。
「お前が大人しくしている日はないのか」
加賀谷の声とともに、肩をつかまれて仰向けにされた。嫌悪感に鳥肌が立つ。
ジーンズの前を開けられている。すぐに膝のあたりまで引き下げられる。下着ごとだった。
自分の姿を想像して、遥は歯を食いしばる。
腿の内側を撫でられる。ゆっくり何度も手が這い回る。
ぞくぞくするのは寒気のせいだ。決して感じているからではない。
「私に可愛がってほしいから、騒ぐのか?」
指が奥に触れる。遥の体がびくんと跳ねる。
脚に絡んでいたジーンズと下着が足首まで引き下げられた。その強引な力に遥の体がシーツの上を引きずられる。
片脚ずつすねあたりを捕まれて、足首から脱げかけのものが取り払われた。
「ほら、邪魔な物がなくなった。うれしいか?」
投げつけられる言葉に屈辱を感じる間もなくうつぶせにされ、その部分が加賀谷からよく見えるように尻を広げられた。
(見られている)
目隠しされているので、加賀谷の動きはわからない。しかし、そこを見られているという気がした。そう考えるだけで、恥ずかしさにじっとしていられなくなる。
「本当に淫乱な奴だな。こんなところをひくつかせて」
何かでそこを撫でられる。ぐりぐりと押される。
「挿れてほしいのなら自分で開いてみたらどうだ」
とろりとしたものがそこに垂らされた。思わずきつく閉めてしまう。
「私は開けと言ったのに、行儀の悪い奴だ」
力が加えられた。
昨日と違い濡らされたそこは、簡単にその力に屈する。指らしいものを抜き差しされるたびにローションが卑猥な音を立てる。
そこをこすられるだけで声が出ないくらい感じてしまう。快感とは違うのかもしれないが、感じることに集中してしまう。
「指を挿れるだけでこの有様か」
『んんっ』
前を捕まれた。快感と期待で体が震える。
「口では何を言っても、こうされたくてたまらなくなっているじゃないか。正直に言え。男に挿れられるのが好きだと。私に挿れられたいと」
体の中のそこを押された。思わず腰が引けてしまう。
「刺激が強すぎるのか? そんなことはないだろう。こんなに淫乱なのだから、もっともっと責めてほしいだろう?」
指がそこを機械的に責めてくる。
猿ぐつわを噛みしめる力がなくなり、口を開いて声をもらしてしまう。
『あ、あっ、ああ、あ……』
「好きなんだな、ここが。何も考えられなくなるんだろう? 私のことが嫌いでも、ここを揉まれれば逆らえなくなる。そうだな?」
いつになく言葉で辱められている。
遥からは加賀谷が見えないからかもしれない。イマジネーションの中で、屈辱と快感はより強くなってしまう。
「こんなところを指で責められて、気持ちいいんだ。おかしいだろう? もうお前は変わってしまっているんだ。男を知らない体じゃないからな。もう後戻りはできない。男とのセックスを知らなかったきれいな体には戻れないんだよ」
指を引き抜かれた。喪失感に体が震える。そう感じる自分の体を嫌悪する。
ベッドが沈んだ。
すぐに人の体を感じる。
縛られたままの体を押さえつけられる。
「今、挿れてやる。もっとよくなりたいだろう、遥」
そこに当てられる。指などとは比べものにならないくらいの太さで、遥の体を押し広げる。
身をのけぞらせて遥は悲鳴を上げた。痛みにではない。体を抉られる悦びに声が抑えられなかった。突き上げられるたびに遥は声を押し出された。
「薬なしでも十分感じるようになったんだな」
遥の耳を加賀谷の声が焼く。
「大人しくしていれば、もっと可愛がってやるし、自由にもさせてやろう。自ら危険に突っ込むような無謀な行動をしなければな」
遥は喘いだ。加賀谷の手に硬くなったものを弄られ続けて、気が遠くなりそうだ。
「お前はもう、体も立場も前とは違う。それをよく頭と体に叩き込んでおけ」
中と外を責められて視界が真っ白になっていく。何も考えられない。上り詰めてしまう。
『ああぁぁっ』
遥の意識がはじけた。
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