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【靉流side】 新しく買った本を読みながら僕は思う。 この本は、久しぶりに出掛けた時に買った物である。普段は、人目を避けて生活している分、外に足を運ぶのが珍しいがあの時は取り寄せるだけじゃなく自ら足を運びたくなった。 天界の街は本当に賑やかで、僕が暮らしている白鷺の庭とはイメージが違った。 ウィンドーショッピングをしながら、目的の場所へ行ったら、突然、電撃が走ったかの如く。僕は自然に手を伸ばしていた。 それが…。 この本。 凄く、運命的な出逢いだった気がする。 古代語びっしりとか…。 『もう解読して下さい』と言っている様な物だ。 僕の心を擽るのが上手な一冊だと思う。 「ん、吟詩と読むんだな」 つまり、タイトルが…。 「ー…“紅い月の吟詩”…。益々、内容が魔界ぽっくなっているけど。僕、大丈夫かな?」 読んでいて、吸い込まれたりしないよな? 古びた本って、年代物だから時折、呪文が掛かっている場合がある。 実際に吸い込まれた人が居るのかは解らないが、気を付けておく事には越した事はない。常に大惨事に備えておくのがベストだと父様に教えてもらった。 その一つが、言の葉だと言ったら笑われるだろう。 何たって…。 苦手だからだ。 僕なりに練習してみたが、やはり脳裏に話を掛けた方が効率的である。 ちゃんと、相手に話を掛ける事が出来ていて、正確的な倍率もノートに書いた。なので、言の葉を送るのは諦めた。 「内容を確り、把握しておかないと…大変な事になりそうだ…」 母様が書いてくれた古代語を見ながら、文章に照り合わせていく。 古代語の呪文が掛かれているかは不明だけど、要に越した事はないだろう。 僕の知識の中で呪文系なら、母様の書いた『あら、不思議…。本から古代語の呪文が出てきた!』とタイトルが妖しい本が…。 ー…あった。

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