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原理は当たっているけど、歪みの研究に没頭されたら困るから厳しく、言い付けておかないといけない。 靉流…。 私と同じ様に、歪みを操るのはまだ、早い気がするのだけど。研究材料にしないと約束出来るなら、何時か教えてあげる。 それまでに、幾つかの課題をクリアーしたら、原理の簡単なメカニズムを褒美としてあげるわ。 今は、まだ、脳裏だけにしておいて欲しいのが願い。 少し…。 レベルを上げるのは、貴方の“お兄さん”に失礼する。 「といっても…逢った事すら無いのよね。父君の家系の掟だもの」 兄が居るという意識は何処と無くあるんだろうけど、多分、そっちより、小説が増している。 私としては、聞かないあたりが靉流らしいと、納得出来る部分があった。そこも含めて、歪みに興味を抱くのは家系の問題なのだろう。 「手っ取り早いのは、彼を歪みの海に投げ込み。何時間で戻って来るのかを計算する事から始めるのが…。靉流らしいスタイルだと思っているわ」 『ー…それを、俺に言うか?』 「他に、誰に言えと言っているんです?」 『ソナタの兄とか…』 照れて言う科白かしら。 寧ろ、兄が沢山居て、何番目の兄なのかを。 教えてもらいたい。 貴方もご存知。 天界、冥界、魔界と居る。 大方は、最も恐怖の対象だと想像出来るが、生憎、仕事で忙しいってより。眠りに入っているんじゃないかと思った。 家臣達がビビらないあたり、眠りに入っているのだろう。 時期が来ない限りは、起きて来ない。 もし、起きていたら…。 女神達が。 騒いでいるに決まっている。 光皇城の中が賑やかになり、パァーと明るくなる。 そして、鼻血の大サービス…。 兄のカッコ良さに、皆がうっとりしてしまう。 これを彼は、見てきたのだから、よく、大変だと解っている。 “樹”の兄は…。 モテモテの神だと。

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