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4ー1
『あ、あった』
何があったかと言うと。
冥界王族にしては珍しく、看板が立てられていた。
丁寧に『玄関は、彼方側です』と、書かれてある。目印があるのは良いけど、少し警戒心を持った方が良い気がしてきた。
いくら、父様が強いからって…。
敵に背後を狙われたら終わりじゃないかと、僕は思う。
『グラーデンって、天然?玄関先に『玄関は、彼方側です』って書いてあるけど』
素朴な疑問が僕の頭の中に浮かぶ。
まぁ、素直に従って、行くんだけど…。
だって、此所から入ってはいけないと、危険信号がなっている。以前、母様が作ったトラップを思い出した。
僕が『もしも』と言った設定で作られたトラップは、何重もの呪文が掛かっていて、解くの大変だったのを覚えている。
それを考えれば、今、取る行動は、正しい判断だと、誓いたい。
『この場合は、右に進めばハズレ。左に進めば正解?』
ー…んー…。
こいゆう時って、運任せと言う人も居るけど。
生憎、僕は、そいゆうタイプじゃないので、真剣に考える。
最早…。
パズルを解いている状態。
『此所に当てはまる文字を嵌めなさい』みたいな簡単な問題。
父様思考で行くと、普通に前に進む。
母様思考で行くと…。
トラップの解除方法を考える。
僕的には、割ってニだから。
『ー…解除かな?』
首を傾げながら、看板の答えを探す。
こう考えたらグラーデンの家系の人、天然の割にはセンスがある。
遊び心満載の問題なんて、滅多にお目に掛かれないから、僕は嬉しい。
『左』
何となく、直感的に。
光の玉になった僕の速度は、速い。
父様に早く逢いたく、本当の玄関へと向かった。
若き頃の父様を見られるなんて、絶対を数えても見られない。
貴重な体験をさせてもらえていると、実感する。
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