33 / 119
4ー4
『うふふっ…』
楽しそうに微笑む母様が、父様の手を掴み、何かに乗せるシーンが出てくる。
その後は、人に見せられないゾーンに突入する為に、モザイクが掛かっているんだけど。僕は、興味があって、見てしまう。
後から、後悔。
父様の吐いた汚物を見て、貰い汚物…。
という、展開になりそうだけど。
そこは…。
修正して、とりあえず、貰い汚物じゃなく。『綺麗な音色で、お楽しみ下さい』的な感じだったら。
僕も、安心して、逝ける。
あれって、テーマパークとかで乗れる自分でグルグルと、高速回転させる物だよね?
絶対、父様は後悔するパターン。
『僕が、白鷺の庭に墓を掘ってあげるからね。安心して…永眠に就いて下さい…』
そんな日が訪れるのかも不明。
父様、ああ見えて、五千歳越している癖して、若く見られるのを知っている。
『まぁ、素敵な殿方』
何処ぞの紳士?と、首を傾げたくなる自分が現場に居たから言えるんだけど。
単に、容姿が格好いいから、素敵に見えるだけで。
一部…。
モザイク掛かっています。
『『グラーデンの一族は…特殊だから、少し靄が掛かったぐらいがミステリアスなのよ』と、言っていたっけ。僕も、そこは納得出来る。しかし、ミステリアスを含むと、何か…父様の威厳さが半減しそうで勿体無い。あの雰囲気が淑女には人気なんだよ。如何にも、難しい本を読んでいます感が、女性の心を擽るみたいな…』
僕は、思わず、弁論したくなった。
父様が、漂わす雰囲気について。
熱く、語れる気がするのは、僕の中に流れる“グラーデン”の血が騒いでいるからだろう。
ー…この、興奮が堪らない。
我慢出来なくなり、母様の脳裏に話を掛けたくなった僕は、普段、繋げない回線を飛ばしてみる事にした。
ともだちにシェアしよう!