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過去から現代に繋げるの初めて。 母様、起きてるかな? 『母様』 呼び掛けてみた。 『…』 返事が無い。 回線は、当たっている筈なんだけど。 現代でしか、通用しないのかな。この、やり方。 過去からは…。 繋げるの難しいのかと、考えていた時に、微かに感じた母様の気。 相変わらず、澄みきった感じの雰囲気が漂ってくる。これは、僕にしか、解らない事。 『珍しい物だから、何かな?と、思ったら…靉流…』 『ご機嫌、麗しゅう御座います…。母様』 『ご機嫌…麗しゅう御座います。靉流。元気な声が聞けて、嬉しいわ…』 『僕、初めて、過去から現代に繋いでみました。母様が、教えてくれた事をやれて嬉しいです』 ふんわりと、微笑む姿が浮かぶ。 『初めての経験は大事だから。良く、出来ました。それで、どの時代に居るのかは解るけど、靉流…もしかして、興奮しているのかしら…』 脳内に、お話をしていたら、母様に当てられた。 僕の今の状態を…。 『…っ、何か、熱く弁論しようとしたら、興奮してきた』 『“グラーデン”の血筋が、呼び掛けているのかしら。でも、父君の事を語りたくって、繋げてきたのなら…興奮状態も納まる筈なんだけど。久しぶり過ぎて、血が騒いでいるのかしら…』 そっと、白い手が僕の頭を撫でる感触がした。 僕を小さな玉にした張本人は、頭を傾げながら、考え事をしている様子。 こいゆう風に…。 頭を撫でてもらえるのは、久しぶりだな。 幼き頃は、感じていた母様の手。 今では、滅多に味わえない。 『若き父様も、今の感じでしたか?』 僕は、気になっていた事を、質問した。 昔の父様と今の父様の性格上を、知りたかった。 どうやったら、女神達にモテる構成を作り上げたのかを。課題にしたかった。

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