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4ー7
確か、機関内の構造の本も売られていた気がする。
これは、父様が、倍に犠牲になる必要があるかも。
まぁ…。
腹が空いては戦は、出来ぬと、言うし。
『僕、冥界政府内の本が欲しい』
『構わないけど、アレ、結構、良い値段よ…』
値が張るのは、仕方ないか。
母様に、お願いして、家に送ってもらわなきゃいけない。僕が、仕事に辺り、本を買う時の条件みたいな物。
そうしないと、お金が入ってこないからだ。
趣味に没頭するにしても、お金が関わってくるので、適度に、条件を満たしている。
『今回は『レテの川』をお題に、本を書いてみるのと。“グラーデン”の歴史について…少しばかり、分厚い本に、仕上げてみようと、思います。それで』
『ちゃっかりしていますわね。靉流…』
『お小遣いアップを、お願いします。お代は、父様の若い頃を犠牲に』
『承知しました…』
よし!
とりあえず、父様の若い頃、犠牲に出来た。
これは、少し、値が張る本の為。
もう一つは…。
条件が難しそう。
『何時も通りで、お願いして良いですか?宅急便、結構、便利で、愛用しているんです』
何を隠そう。
僕の家は、郵送で荷物を受け取るシステムになっている為、基本は誰にも逢わない条件に適している。少しの買い物がてらに、寄れるから、便利さを覚えた。
お陰で、宅配便を愛用する様になり、近代文明の素晴らしさに感動。
『天界の宅配便、速くて有名だと、貴婦人達も活用しているから良いじゃないかしら。それに、靉流が棲む家は、少し、特殊だから…尚更ね…』
『こいゆうのを取り入れる様になってから、出掛ける回数が増えました。本に触れているだけで、幸せ。でも、本を書くにあたり、新しい机と、雰囲気ある万年筆を使うというスタイル、何か、良さそう』
憧れの情景を浮かべ、母様に 、話した。
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