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ずっと、憧れていた人物。 逢ったら、色々、質問したく、メモに、質問の内容を書いてある。『真夏の夜の夢』に出てくる精霊の中に、酒の精霊が出てくるシーンがあったんだけど。 彼女は、どいゆう感じなのかを知りたい…。 杯する時は、葡萄酒と、決まっている。 逢うとすれば、精霊の王“オベロン”に、敬意を払って、旬のカベルネをふんだんに使った手作り葡萄酒でいこう。 これは、母様の本から拝借して、僕自身で、葡萄酒を、作る。古代ローマでも、葡萄酒は、神聖な儀式とかで使われているらしい。杯を交わすには、やはり、外せない品。 フランスでは、太陽の下の元で、樽に入った葡萄を足で潰していく作業から始まる訳だから、この諸方を取り入れて以来、お酒作りは、楽しみになっている。 『精霊の王“オベロン”』 夢が広がっていく。 早く、仕事を終わらせて、逢いたい。 どんな感じの男性なんだろう。 オペラに出てくるみたいに、イケメンなんだろうか。 『それは無いから、安心しなさい…』 『イケメンじゃなかったら、渋い感じですか?』 もう、母様、酷い!!! 『渋くもないわね。どちらかと言えば、こいゆう感じの顔に、髭を足した感じ。でも、ユーモアがあるセンスは…持ち合わせているのよ。若い頃は、イケイケだったとか、聞いた事あるわ…』 何か、今、凄い、訂正された。 妖しい。 『いいです。実際に逢ってから、自分の瞳で、確かめます』 『ー…仕事を終わらせば、逢えますわ。その時は、自分の作品を、持っていってみなさい。幼い頃から描いていた精霊の王“オベロン”の話を彼にしてみるのもアリだと思うわ…』 『誤魔化した代は、高いですからね』 『…』 容姿に関して、訂正したのは、何か、意図がある。 僕は、頬を膨らませながら、拗ねてみせた。 本当は、凄く、嬉しいんだけど。 久しぶりに、誤魔化された事に、苛っとしたので、お代は上げておこう。

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