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『考えは正しいと、思いますわ。父君の血筋の者が時空を、迷子になったら、まず『助けて』と、言うでしょうね…』 何故、冷静に、語れるのかは、言うまでもなく、本人が試したに違いない。 でも、何時、試したのかは不明だけど、時空酔いみたいな現象が、出たのかは、父様に、聞けば解ると思う。 時空を通っている時に、僕の脳内に、モザイクが掛かっていた事は、内緒だけど。 大抵、想像出来るので…。 触れないでおこう。 『目を開けたら、知らない世界だったとか?』 『さぁ、そんな風な報告、受けてないわ。寧ろ、目を開けたまま、パニック状態になって、別の空間に行ったと、聞いているわ。つまり、アルファーが生じて起きた空間に、引き寄せられて、異空間に行ってしまったというのが、迷子の原理ね。そう考えると、時空の中を潜ってくるの…大変でしょう…?此方とは、反対の世界に居るんだから、当の本人は『へっ、此処何処?』と、頭の中がクエスチョンマークだらけなんだから…』 それはそれで、哀れだと思う。 何で、事前に、確認しないんだろう。 一説によれば、時空の中って、風も吹くと、書かれてあったけど。唯一の救いは、その、風に吹き飛ばされなかった事。 『まぁ、説明を受けたら、きちんと、目を瞑りましょうですよね…。僕も、目を瞑って、潜ってきたから、父様の若い頃の姿を拝見出来る位置にいるし』 『そんな賢い靉流に…』 『これは?』 『少ししたお勉強とでも言っておこうかしら。過去に居ながら、現代の事にも触れる事の出来る、素晴らしいお題。靉流・G・フィニアなら、きっと、解けるでしょうね…』 『あっ』と、声を出す前に、母様は、消えてしまった。 残されたのは、小さく、纏められた紙のみ。今から、出そうとしていた物の、安全性を、聞こうと、思っていた矢先に、残念。

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