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【レイナside】 ふんわりと、香ってきた上品な匂い。 鳴呼、シエティーお母様だわ。 この前、魔族に逢ったと、言って以来…。 不安な顔をしていたから、様子を見に来たのね。 だけど、シエティーお母様、私が逢ったのは、二人です。本当は、そう、伝えるべきだったのかも知れない。 でも…。 ー…何故か、言ってはいけない気がした。 だって、これは、私と彼の問題だから。 顔は、見ていないけど、直感で解る。『また、何処かで』と、お互いに、感じたのは、初めてだと、思いますの。 『何時か、ソナタにも『あっ』となる相手が、現れる。例えば、私と、母君が、そうであったように…』 なんて、父様は、言っていましたけど。 強ち、間違ってもいないので、反論するのは、止しました。 「シエティーお母様は、不安がらなくても…大丈夫ですわ」 不安がっているのは“伯父様”だと、解っています。 「結婚するにしても、私に、好きな相手が出来たとしても、伯父様は、爽やかな笑顔を浮かべながら、密かに、裏の顔を出すのでしょうね。だけど…それは、まだ先なのかも知れません。だから、シエティーお母様…今日の事は、どうか、お忘れ下さい…。不安な感情は、消させて頂きます」 そうじゃなきゃ、下の妹弟達に、影響がいってしまう。 こいゆうのは、消してしまった方が、良いのだと、私は、思います。 「お休みなさいませ、シエティーお母様」 どうぞ、良い夢を。 彼女の中から、不安な一部を、消して下さいます事を。 穢れる事なかれ…。 ー…その、純粋な心を。 黒く、染める事が無い様に。 私は、お祈りいたします。 神の、ご加護を。 「あまり、困らせてはいけないと、母様に、申しましたのに。私の、出生話プラス、伯父様の根暗な部分を、話しましたわね。駄目じゃないですか…“ギリセ”。貴方は…絶対神の加護を受けているのを、お忘れですね」 ふんわり、ふんわりと…。 解き放った。

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