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何故か、広がる世界は、不思議と、綺麗に、秩序が保たれていた。 招かれぬ客とは? ー…招かれた客とは? それは、夢の中を、覗いてみて。 君にも…。 見えてくるかも知れない。 小さな小さな光の玉。 この世に、誕生するべく、愛を込めて名付けました。 “靉流・G・フィニア”。 古の血を引きし、冥界王族『グラーデン』の皇子様。 まだ、眠っている力に、少し、私の力を、注ぎましょう。 聖霊界の者達が、彼を…。 疎まない様に。 精霊達が、沢山の愛情を、注いでくれる様に。 お呪いを…。 ー…掛けておきます。 『フルーデン・ディア・アポッシモ…』 緩やかな時間の流れに反り、何時か見た夢が、貴方を、動かす。 その…。 小さな手が、父親の指を、握った時。 新たなる時代が始まる合図と致しましょう。 『カナール・ドッフェ…』 君の為に、送る。 精霊のお話を、一つ。 『私は、聖霊界へは…立ち入り出来ないもの。それは、太古の昔に、精霊の王“オベロン”と、交わした掟。それを、曲げる訳にもいかない…』 きっと、曲げてしまえば、滅びの歌が鳴ってしまう。 君が、好きな世界を、滅ぼす訳にはいかない。 『どうぞ、お解りを…。私の小さな息子“靉流”。貴方は、この星々が…重なった時に、絆を結ぶ…』 そう、頭の中に、入れておいて下さい。 ほら…。 聞こえるかしら? 温かな声が、聞こえてくるのを。 あれが、貴方のお父様の声。 ー…温かく、優しい雰囲気が、纏う。 君には、そう、聞こえるんだね。 『レティア・ソ・アラータ…』 一つ一つ、刻み込まれていく言葉は。 今は、無き…。 古代冥界語。 『ディアール・オブ・ファンシー…』 失われし、言葉は、お嫌いかしら? 『トルーク・ファンシモ・アラビートゥ…』 小さな声音で、呟く日を、楽しみにしています。

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