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【アルザリside】 セリデュク様が言い様に、確かに、私は、楽しい。 何故なら、あの日、目にしていた少女が、あまりにも愛らしい姿をしていたから。 天界の童神にしては珍しく、感性も鋭い。 故に『先ほどの方とは、違う気ですね』と、言った時。 見えていないのに、相手の気が解る能力は…。 素晴らしいと、思いました。 白い長い髪を…。 舞わせながら、術の練習をしていた彼女。 思わず、此方が、魅入ってしまうくらい、其処だけの時間が、止まって欲しいと、思ったのは、言うまでも無い。 「あ、悪い。誰かしらに対してだから…アルザリが、対象になるとは、言っていない」 「そこを、先に言って下さい。一瞬、焦りましたよ。私まで、社交辞令の対象者じゃないかと…」 セリデュク様…。 先に言ってくれないと、私まで、社交辞令を使う所でした。 使うなら、ルィーアイン・シュタインくらいにしてくれたら嬉しいです。 彼なら、どんな対応を受けても、強く、生きていけそうです。 「すまん」 「どんな感じの女性かを、お伺いしても?」 「そうだな。とりあえず、身長は、小さい。髪色は、白く、瞳は、異なっている。魔界でも噂になっている様に、七大天使を、専属に付けている。ついでに、世話役が、麗しのウリエルという、大変、勇敢な部下を配下にしている父様譲りの腹黒い部分を引き継いでいる。因みに、叔父という婚約者が居るが、本人が、どう、思っているのか…不明。後は、魔族のリストが、頭の中に、全て入っていて、聖霊界を、一度、傾けて…精霊の王“オベロン”が、怯えているという話を母様に、盛られたが、多分、目を光らせているだけであり、怯えているかは、定かではない」 「…聖霊界を、傾けるキッカケでもあったんですか」 益々、頭に描かれる人物が、想像を越している。

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