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5ー20
「原因なら、ルィーアイン・シュタインの父親…つまり、マルマにある。彼が、妹を、からかってだな。怒らせて、聖霊界の軸が、傾いた」
マルマって…。
あの、男ですよね。
自棄に、爽やかな雰囲気を纏いながらも、チャラチャラした感じの。
如何にも、下界で言うなら『チャラ男』という部類の危ない男性ナンバーワンに違いない、女性をナンパしていそうな顔をした男。
私が…。
知る限りでは。
『はぁい!お嬢さん達、一緒に、お茶でもどう?』と、普通に、声を掛けていそうな感じです。
「それが、原因で、傾くとすれば、凄い力をお持ちで…」
「僅か、三歳で、仕出かすのは…どうかと思うが、あの時ばかりは、マルマが悪い。元々、聖霊界に、携わってはいけない掟がある。いくら、母様の遺伝も継いでいるからとはいえ、妹は、父様の遺伝が強い。だから、聖霊界には、キツ過ぎる」
「マルマ卿が、何を言ったのかは知りませんが、私なら…抑えますね。力の制御のストッパーとして役目を果たします…」
「そのくらいの勇気ある者が居たら、妹も、安心だろうな。しかし、相手がな」
まぁ、あの叔父貴なら、ストッパーとして、役に立つのかも不明ですが。
あくまで、私ならという話です。
どの道、お逢いしてみないと、彼女の本質が解らない。
いくら…。
主の妹だからといって、媚を売る真似をしたら、失礼に値します。
紳士としての心得は、常に、養わなければいけないもの。
下手に動けば、取り返しの付かない事になる。
「相手に、不服あるなら、当に、白紙になっているでしょう…」
「それを…切に願っているよ。妹には、自分が選んだ相手と、結ばれて欲しい。だけど、生まれる前から決まっていたとなれば、覆すのも難しいだろう」
どんでん返しが、起きない限りは、難しいだろう。
非の打ち所が無い相手だからこそ、胸糞悪い感じがして、嫌なんですけどね。
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