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5ー22
こいゆう事は、あまり口にしたくないけど。
彼の父親は、頭が良い。良いから、上手く、相手の行動を見る癖があった。
思い返せば、聖霊界を、傾けた時だって、一人、のほほんとした表情を浮かべていたわ。
『傾いてる』
ー…えぇ、傾いていて、当たり前かと。
『これは、軸を直すの大変そう』
幼き少女が、若干、三歳で、國一つを傾けてしまうのは、どうかと、考えるべきだった。
何れ、通る道なら、今のうちに、鉄は熱く打っていても問題は無い。
ー…そうだと、思わない?
ま、今、問いかけたとしても、返ってくるのは、千年あたりだろう。
ふっと、脳裏に浮かんだ人物を、私は、気配だけを漂わせない様に、掻き消した。
「是非、お聞かせ願おう。好意を寄せている相手が居るのか…」
「生まれる前から許婚という名の叔父は居ますが、好意を寄せているのか不明です。ただ、初恋の味とやらを、知ってみたいのは、確かです」
やっぱり、恋心を寄せている相手の事を、聞いてきた。
「では、私の父の写真は…」
当に、燃やしてありますよ。
何で…。
私が“マルマ”と、契りを交わさないといけないのよ。
有り得ませんわ。
天変地異が起きようと、水で、大洪水になろうと。
大伯父の毒ケーキを食す所か、逆に、猛毒である鳥兜を使って、ウェディングケーキを送り返したとしても。
“マルマ”と、交わるのだけは、断固拒否致します。
それは、もう、叔父様を、プラスしてあげたい気分ですわ。
「貴方が、どいゆう風に聞いているか解りませんが、私と彼には、深い溝が存在します。確認したければ、父君に、聞いたら宜しいですわ。それに…魔族である貴方が、此処に居る事が、危険だと、察知しなければいけません…。私、力を使うのは、極力、避けていますの」
「何故、問題なのかを教えて欲しい…」
「…教えなくても、体験出来ますよ」
「…」
だから、二度目の訪問はしない方が、賢明だと、父親から、習うべきでしたね。
ルィーアイン・シュタイン卿。
破滅の夜行曲(ノクターン)の象徴。
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