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6ー1
「ほほっ、まだまだ…いけると思うかい…」
飛んでくる精霊達に、話を掛けた。
そういや、忘れていた訳じゃないが、あの後、少年が、少女の怒りに触れて、聖霊界が傾いた。
主曰く『完全に…軸が、傾いている』と、言っていたが。本当に、軸が傾いていて、何時、崩れるかも解らない状態だったのを覚えている。
僅か、三歳という理由もあり、儂も、あまり咎めはしなかったが、それがきっかけで、彼女と儂の掟が出来たのは言うまでもない。
聖霊界には、携わらないのが掟。
例え、血を引く者が、聖霊界に関わっていたとしても、彼女自身が、関わってはいけない。
厳しい掟かも知れないが、これも、お互いの秩序を、守る為だと思えば、仕方がない事。
「それを、破ってしまった出来事があったな…」
恐ろしくって、身震いしてしまった。
あれは、聖霊界の危機を感じた。
何を、どうしたら、歪みが、沢山生まれるのかを教えてもらいたかった。
しかし、あの時は、状況が違ったと、報告を受けていた。
天界に…。
魔族が、侵入した為と、聞いていたが。
生憎、儂が、森で、うたた寝している時に、起きた事件。
イケイケな姿のまま寝ていたせいだ。
思い返すと、悪夢過ぎる。
『すまないね。オベロン…。娘には、キツく、言い聞かせておくから』
『いいえ。それより、この歪みは…』
『それも…娘に、消してもらうから』
あのまま、空に…。
歪みが、浮いたままとか有り得ない。
正直、消してもらって、助かった。
でなければ、今頃、歪みの中に、吸い込まれている。
そう、考えると、レイナ皇女の力は、計り知れないという事。
「あ…。今は“樹”皇女だったな…」
儂の苦手な方も、また、計り知れない恐怖を持っているから、尚更、油断が出来ない。
姿、形が変わっても、力は変わらないのであろう。その、遺伝を引く御子。
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