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7ー5
だから、価値がある作品なんだと思う。
知られてないあたりは、世に言うマイナー作品なんだろうが、別に、それでも上演していたのだから、一つの傑作なのだろう。
私は、中身の内容が、凝っている作品は、素晴らしい物だと、思っている。
弟が、想っている相手が、オペラを、こよなく愛する子だったとしても、それは、彼の感性が、研ぎ澄まされている証。
だからこそ、取り込まれる世界観がある。シェークスピアの作品は、そいゆう感じなんだと納得出来てしまう。
魅惑の世界を作り上げていく、作品から、色んな感情が、生まれてくる。
例えば『四人の恋人』の複雑さを描いているのも『真夏の夢の夜』の特徴で、少し、ギャグぽっい部分を、感じさせるのは、夜の精霊の天然さだろう。
ポジション的に、彼は、美味しい役を得ている。
彼処は、観客が…。
笑えるシーンなんだろう。
観ている方を、はっとさせる演出は、やはり、喜劇の特徴と言えば特徴。
「一時期、精霊の王“オベロン”が、危ないとか、精霊達が…騒いでいたな。夜の精霊に、ポジション取られるんじゃないとか」
今の立場を、危うくする筈も無いだろうけど。
立場逆転とか、考えたら、王としての示しが付かなくなる。
部下に、自分の座を、奪わせてたまるかと、思うのが、精霊の王“オベロン”だろう。
まだまだ、いけるとか、内心で、思っていそうだもんな。
若い頃の、ゆかりで。
あれを、大叔母様に…。
見られたら、ショックだろうな。
なんて、考えながら、私は、さっきから耳元に聞こえる歌を聞いていた。
歌の精霊なんだろう。生まれてきた子供に、聞かせているのか、優しいソプラノボイスで、歌う子守り歌。
こうして、精霊が、歌う、子守り歌って、初めて聞いた気がする。
何処までも、優しい声音だと、思った。
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