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『何故に、白き魂を、育てようとする』 それを、答えて、貴方は、納得出来るでしょうか。 天界にはあって、魔界には、存在しない命。 尊き命は、貴重。 そう、私は、思っています。 『それ、私に聞いているのですか?』 『他に、誰が居る!アルザリにも、言われたのだろう』 異なる瞳を、細め、深い溜め息を吐いた。 言われたとして…。 それが、何だと言うのだろう。 小さな命を、魔界で、育ててはいけないという掟は、存在しただろうか。 存在するなら…。 天界の秘密の園へと、持っていく。 『直ちに、その、白き魂を、処分して来なさい』 『叔父様…何時か、その、言葉を後悔しますわ…』 命を、粗末に扱う貴方は、ろくな死に方をしない。 ー…穢れた魂を。 白き炎に、焼かれ。 身もよだれる、姿は。 血肉も爛れるだろう。 “アーカス・フィニア・リアトリス”…。 炎の番人。 漂わす、芳香は、オレンジティーの香り。 何時か、見た、夢の続きに、記す。 “月影帝 樹”。 ー…あの人には、告げない夢を。 貴方に、送りたいと、思います。 愛する靉流に。 『グラーデンの名に、相応しく』 爽やかなオレンジティーの匂いを、漂わせながら。 踊ると、貴方は、何時も見せない笑みを、浮かべる…。 『樹、契りを交わすなら、天界式じゃなく、冥界式は、どうだ?俺の家系にも伝わるジンクスがある』 『ふふっ…』 だって、それ、冥界王族『グラーデン』の、習わしじゃないですか。 思わず、私は、笑ってしまう。 それ、大昔に、兄様が、試そうとして、失敗した冥界式の契り。 私だっら、もっと、強く。 強烈な力を、使います。 本当…。 ー…アズイは。 笑わせてくれます。 でも、そこが、良い所。 老婆心が、擽られる訳じゃないけど。 アズイを…。 夫として、持つ事は、良い事だ。 『可笑しいか?』 『冥界式だと、私は、タキシードを、着けないといけませんね…』 『ソナタが、俺に、敵うとでも?』 いいえ。 無理で、御座いましょう。

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