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8ー3
ー冥界・グラーデン邸・二階
『もう、父様は、何処なの!!!』
ぷくっと、頬を膨らませた青年は、踊り場から通じる階段を、昇って、二階へと、来ていた。
長い廊下に並ぶ部屋という部屋を、開けては、閉めての繰り返し。しかも、ネームプレートを掛けていて欲しいと、思った靉流。
『探すのは、大変と、解っていたけど、僕は、今、母様みたく、術を使って、相手を呼び出す方法を、選びたい』
その方法を、漂いながら、思い出そうとしている彼は。
貰った『お題』に、目を通しながら母親が、探している人物を呼び出す術を、頭に、浮かべた。
結構、月日は、経っていないから、いける筈なのだが。
記憶の引き出しは、何処に閉まったのか…。
ー…忘れている。
『えっと、火山の数。湖の数。御霊の数。これ、父様を、探している間に、解けそう』
とりあえず、火山の数から、出していけば、問題なさそう。
『ティーアリー・ポット・アリアス』
母様が、教えてくれたホログラムの作り方は、役に立っている…。
この場合は、下界の火山。
『役、二千以上ある火山から、噴火している火山。つまり…活火山の事を、表すから…計算的に、これで、良いのかな?』
四百八十度を、見渡し、火口から下まで、チェックしていく。
これは、プレートの問題で、年々、マグマの活動が、激しくなっているから、下界の火山の中で、心配されているのは、富士山という山らしい。
今は、静止状態と…。
『データーによれば、一度、活動して今は、静止しているのが静止火山。活動しているのが、活火山。また…一度も、活動していないのが休死火山…』
読んで、字の如くって、感じがする。
まぁ、噴火していない分、安全性は…。
ー…高い。
火山の資料のデーターを、纏めた青年は、ホログラムを、閉じた。
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