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そして、次のお題にいこうとしたら、矢鱈と、目立つ部屋が、目に映る。 自棄に、キラキラとした豪華な宝石が、散りばめられた扉に、靉流は、まじまじと見つめた。 『あれは、僕でも解る。エメラルド、ピンクサファイア…イエローダイヤモンド。誰の贈り物?』 大きな丸いイエローダイヤモンドの原型が、気になる。 彼は、近くに、歩み寄りながら、宝石へと、触れた。 『献上品だよね。この、大きさは、滅多に…見ない大きさ。という事は、調べてみる価値アリ』 ドアノブに、手を伸ばして、そっと、静かに、開いた。 見えてきた景色に、彼は、脳裏に描かれた風景に、覚えがあった。 開かれた窓から入る風に、吹かれながら、レースカーテンが、揺れる。 涼しげに、椅子に座りながら、規則正しい呼吸をしている自分の姿と重なる。 『何か、懐かしい感じ』 椅子に…。 身を預けながら、風に当たる。 其処で、本を、読む。 靉流自身の日常であり、楽しみだ。 しかしながら…。 『生きてるかな?』 思わず、確かめたくなる。 口元に…。 手を、当てて、息しているか、確かめた。 『…うん』 ー…生きている。 『ふぅぅ、此処で、生きていなかったら、僕は、第一発見者になって…。天界の警察に、取り調べられている。生きていて、安心。殺人か、自殺かなんて、問われても、解らないから』 「其処に、居るのは、誰かな?」 『…』 「やぁ、小さな御霊さん…」 いきなり、声を掛けられた彼は、固まる。 見えている。 僕、見られているよ…。 ー…えっ! こいゆう場合って、どう、対応して良いか、安全ガイドブックとか、持ち合わせていない。 『わぁぁぁ、母様に、聞くべきだった。見えている人に、遭遇した場合の回避方』 「君の、お母様は、きっと、良いお母様なんだろうね。忘れらし“グラーデン”に、君という小さな贈り物をしてくれた。光栄だよ…」 紳士的にも見える男性が、微笑む。

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