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【靉流side】 息を、確かめていたら、バッチリと、目が合う。 死人だと、思っていました。 老人は、僕を、見るなり、優しく、微笑んだ。 こうして見ると、父様に、似ている気もする。 しかし、父様が、こんな老けた感じではないのは…。 百も承知。 『それは…僕を産んだ母様ですから、良い人だと思います。僕が“グラーデン”の歴史を、知りたいと、言ったら…喜んでくれました…』 「ふふっ、面白い。まるで、昔の息子を、見ている様だよ。今は、冥界政府の副官吏長を、目指すべく、冥界の彼方此方を回っている。私の、若い頃に、そっくりなんて言ったら、怒られるかな」 『…全然、きっと、息子さんは『嬉しい』と、言います』 だって、こんな穏やかな人に『似ている』と、言われたら、嬉しくない訳が無い。 寧ろ、心から、喜ぶと、思う。 「そう、言ってくれると、嬉しいよ」 『僕の父様は、凄く、素敵な紳士です。よく、様子を、窺いに来るのですが、母様の分まで、僕の現況報告をしてくれます…』 「君の、報告?」 『僕の血筋の問題です。これでも、立派な皇子様だと…噂を耳にします。ただ、公の場に、顔を出せないのですが。何故『皇子』と…呼ばれているのか、不思議です。確かに、父様は、冥界王族の血筋ですし、母様は、光皇帝の血筋の者と、縁があります…』 「ー…光皇帝の者と、縁がある者」 あれ、僕、いけない事を、口にしたかな? 父様は、そいゆう風に、教えてくれたけど。 別に『話すな』とは、言われていない。 というか、さっきから、ポケットの中を、探しているんだけど、お助けグッズという名の紙が、見つからない。 置いてきたのかな? 『あっ、今のは、忘れて下さい。それより、どうして…“グラーデン”が、忘れらしなんですか?』 「話せば…長くなるが、君は、聞いてくれるかい。小さな御霊さん、いや、彼女の場合なら、こう、例えるのかな?光魂と」 ー…ん? 彼女? 誰の事だろう。

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