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8ー6
必死に、考えながら、老人の言葉を反芻する。
『光魂…?』
「それは、君が生まれる前の話だから…」
含み笑いをしながら、彼は語った。
どうやら、考えていた事が、口に出ていた様だ。
光魂って…。
何だろう?
母様に、聞いた方が良いかな?
魂の在り方なら、御霊の数というのがあったけど。
これと、関係あるのかな?
順番的には、湖の数なんだけど、御霊の数が、関係あるなら、此方から、知るべきだろうか。
しかし、僕的には、順番通りに、いきたいから。
やっぱ…。
御霊の数は、後からにしよう。
『僕が、生まれる前?』
「まぁ…。誰しも、一度は、通る道。それより、君は、冥界王族の事を知っているかな…」
『本でしか、読んだ事無いけど、有名所の“フォルテッシモ”は、知っています』
「そうかい…。冥界王族の有名所は、やはり、冥界王族最高峰の“フォルテッシモ”。名を轟かす、冥王が、生まれる家系。次に“グラーデン”が、並ぶ。その次は、君が知っているかは解らないが“ヒジュリーア”。こう、考えると、冥界には、沢山の王族が、存在するんだよ…」
ー…“ヒジューリア”。
初めて、聞いた名前…。
冥界政府に、関係しているのかな?
戻ったら、調べてみよう。
『そんなに、沢山あるのに、何故“グラーデン”だけは、他の王族と、違うのですか?母様は『“グラーデン”は、特殊な一族だから、少し、靄が、掛かっていた方が、良いわ』と、言っていました』
「ふふふっ…」
やっぱり、ツボっている。
もしかして、例えが、笑えるのかな?
『何で、忘れらし、一族なのか、僕は、知りたいです!』
「そうだねぇ。君も、良い年齢だから、知っておくべきかも知れない。彼の、有名な天界を、跨ぐ、皇女が、掛けた不思議な呪いを。其処に、眠る古代冥界語の意味を。グレース・アシュッ・ティオリティアトゥ…」
これ、昔に、経験した覚えが…。
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