91 / 119
第十話:仄かに香るウェンディングブーケ。
ー冥界・秘密の湖園
花々が、美しく、咲き乱れる世界。
―…此処は。
冥界に、存在する湖の様だ。
若い男性は、つい、こないだ、此処を見つけた。
ー…この、場所は、落ち着く。
では、私が、若かった頃の過ちを、話そうとしよう。
これは、ある男が、一つの欲望を叶えたかった。
物語である。
それは、それは、昔々、臨機応変プラス、にこやかに微笑む男性が居た。
それが、グラーデンの主である。
名は、明かさないでおこう。
ただ、言えるのは、この物語は、一人の少年から始まっている。
『父様、僕は、大きくなったら、冥界王族の習わしを、ノートに、記しておきます』
なんて、可愛い言葉が、聞けたら、最高。
私だって、だてに、冥界王族じゃない。
孫の顔だって見てみたい。
なので、絶対神であるレイナ皇女、夢を叶えてくれ。
この世の万里に従い。
私は…。
『息子の未来を、渡すとするのだが、さて、女神は、叶えてくれるかな?』
た
『それ、私に、言っています?』
だから…。
貴女は、神出鬼没なんですか。
今更、言っても、彼女の性格は、昔からこいゆう感仕方が無い。
何せ、私が、出逢ったのは、冥王の誕生日パーティーだった。
『初めまして、私は、グラーデンの者です。以後、お見知りおきを…』
『どうも、今宵は、兄の誕生日で寄ったのですが、まさか…古の血を引く王族に、逢えるとは、嬉しい限りで御座います。確か、ご息子は、二人居た様に思えたのですが』
『…』
『私の記憶違いだったかしら?』
そんな事まで、覚えていたのですか。
あれは、春の頃でした。
母親譲りの髪をした可愛らしい女の子みたいな男の子。
アズイの兄にあたります。
それは、夢にまで見た、初御子。
体が弱く、私は、罪を、犯してしまった。
まだ、乳飲み子を、冥界王族の習わしに、従い、儀式を、行ったのです。
グラーデンの血筋を、絶えやす訳にはいかない。
跡継ぎは、長男が、引き継ぐ物だと思っていた。
それが、過ちだとは、気付かなかったのです。
ともだちにシェアしよう!