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第十話:仄かに香るウェンディングブーケ。

ー冥界・秘密の湖園 花々が、美しく、咲き乱れる世界。 ―…此処は。 冥界に、存在する湖の様だ。 若い男性は、つい、こないだ、此処を見つけた。 ー…この、場所は、落ち着く。 では、私が、若かった頃の過ちを、話そうとしよう。 これは、ある男が、一つの欲望を叶えたかった。 物語である。 それは、それは、昔々、臨機応変プラス、にこやかに微笑む男性が居た。 それが、グラーデンの主である。 名は、明かさないでおこう。 ただ、言えるのは、この物語は、一人の少年から始まっている。 『父様、僕は、大きくなったら、冥界王族の習わしを、ノートに、記しておきます』 なんて、可愛い言葉が、聞けたら、最高。 私だって、だてに、冥界王族じゃない。 孫の顔だって見てみたい。 なので、絶対神であるレイナ皇女、夢を叶えてくれ。 この世の万里に従い。 私は…。 『息子の未来を、渡すとするのだが、さて、女神は、叶えてくれるかな?』 た 『それ、私に、言っています?』 だから…。 貴女は、神出鬼没なんですか。 今更、言っても、彼女の性格は、昔からこいゆう感仕方が無い。 何せ、私が、出逢ったのは、冥王の誕生日パーティーだった。 『初めまして、私は、グラーデンの者です。以後、お見知りおきを…』 『どうも、今宵は、兄の誕生日で寄ったのですが、まさか…古の血を引く王族に、逢えるとは、嬉しい限りで御座います。確か、ご息子は、二人居た様に思えたのですが』 『…』 『私の記憶違いだったかしら?』 そんな事まで、覚えていたのですか。 あれは、春の頃でした。 母親譲りの髪をした可愛らしい女の子みたいな男の子。 アズイの兄にあたります。 それは、夢にまで見た、初御子。 体が弱く、私は、罪を、犯してしまった。 まだ、乳飲み子を、冥界王族の習わしに、従い、儀式を、行ったのです。 グラーデンの血筋を、絶えやす訳にはいかない。 跡継ぎは、長男が、引き継ぐ物だと思っていた。 それが、過ちだとは、気付かなかったのです。  

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