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『何故、彼は、息子に話さなかったのか。アズイに、話していれば…少しは。でも、父親としての意地があるからしら』
魔界王族第一圏担当『フリア』。
第一圏とは『辺獄』を、管轄にしている。
それは、主たるヒレローラが、約束をし、条約を結んだ。けど、魔族と、神の闘いは、冷戦状態なだけであり、別に、平和ではない。
天界と魔界の共存は、そうやって保たれている。
歴史は、古く、歴史書には、幾つかの諸説が載っているが。彼の場合は、やはり、此方の方法を気に入るだろう。
冥界王族『グラーデン』とは、そいゆう一族である。
だから、古代冥界語は、置く深い。
『涎が…出そう』
何て、素晴らしい文字に、囲まれた世界。
走馬灯の如く、流れる映像は、新鮮で、私を、楽しませる。
だからか、つい…。
彼を、からいたくなる。
『こう言っては何だけど、私の叔母様は、美しく、可憐なの。だけど、乙女チックで…下界で、何時か流行るゲームみたいな感じね。軈て、眠りに入ったら、時代は変わり、叔母様が好きそうな乙女ゲームでもやらせようかしら』
嵌まって、引きこもる姿が、目に浮かぶレイナ。
思わず、微笑んでしまう。
そういえば、過去に来た息子は、何処に居るかを考えた。
歴史は、そう、簡単に変わらない筈だから安心しているが、時折、馬鹿が居る。最早、大死神が『げっ、コイツ』となるが、今は、関わらないから放置。
靉流の場合は『宜しく』をしないので、正直、火花が散る事もない。寧ろ、父親の方が、心配だ。
「それにしても、心地良すぎて、眠ちゃいそうだよ…」
此所の、風は、心地良い。
確かに…。
木漏れ日が、溢れていて、昼寝をするには、最適な場所。
こうも、気持ちを、穏やかにさせる所が、冥界にあるとは。
「どうだね。古代冥界語に、好かれている小さな御魂さん。君は、此所が、気に入るかな?」
優しく、微笑む男性は、何処かで、聞いている小さな小さな御霊に、話を掛けたのであった。
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