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【靉流side】
ぶふふっ。
清らかな空気、燦々と、輝く太陽に、辺りに散らばる花々。
僕の中では、二番目に入るんじゃないだろうか。
何故なら、僕は、母様が創ってくれた空間が好き。あの、静観さは、誰もが創れる世界じゃないから。
だから…。
この、世界は、彼が大切にしていた時代なのだろう。
『何て、独り言を、呟いていると、妖しい感じがするけど…この時代は、彼の記憶が、染み込んでいる気がする』
少し、父様に似た目元。
だけど、穏やかな感じは、男性特有というか。
僕は、不思議と、心が、温まった。
何か…。
ー…紳士の、部類に、入るんじゃないだろうか。
『そうすると、彼は、椅子に座りながら、風に…あたってないよね。“グラーデン”の血筋は、あんな感じなのかな?』
僕が、受けた印象。
だから、感じてみたい。
彼が、何故、此所に、連れてきたのかを。
古代冥界語を使う王族って、滅多に居ないし。知っているのは、母様ぐらいだから新鮮。
しかしながら、あの言葉は、どいゆう意味だろう。
忘れらし王族の謎が、残っているのは確か。
『謎が深まるけど、これは、楽しまないと、損な気がする』
僕は、腕を、組ながら考える。
ー…さて。
目的を、果たす為には、どうしたら良いだろうか。
こいゆう時は、右耳を澄ませば、聞こえてくるという。昔ながら、偉人は、囁く。
聞こえない声を聞けた時、一人前になれる。
未知なる世界が、開けそう。
『辺りに、広がるのは、湖。綺麗な花が咲いていて、白い蝶が、飛んでいる。あぁ、此所が、所謂、冥界に存在する秘密の花園と言った所か…。だとすれば、母様なら、手の平に力を集中させて、淡い白い玉を作るだろう』
拓けた場所でしか、試せれない方法。
僕も、一人前になったら、黄金色の光を、混ぜてみたい。
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