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何て、考えているんだけど、元素を、勉強しなきゃ、難しいと、判断した。 しかし、やってみせる。 母様みたく、時空の中で、暗号を、言えるくらい。 父様は、聞いた瞬間、吐いた。 『言える訳が無いだろう。アイツ、浮遊術使いながら、時に身を任せて、スラスラと、暗号を言っているんだ。何か…悔しいが…流石、天界を跨ぐ姫だけある』と、漏らしていた。 此所だけの話、僕も、挑戦しようとしていた。 暗算の如く、四大元素プラス、オペラの素晴らしさを、着く間に、何処まで、言えるかを。 だが、ある事実に気付いた。 目を瞑らなければいけないのに、どうやって、暗号を言えるのかという素朴な疑問。 寧ろ、母様に聞いたら『それ、何時間掛かるのかを計算してみなさい』と、言われる。 だから、何時かのお題に。 『聖霊界にいる、オベロンに、語りたくなる様なレベル…』 兎に角、これは、捨てられない。 その前に…。 風が、横切る音、微かに感じる草の香り。 そして、人の雰囲気。間違いなければ、彼だろう。 せせらぎに混じる、水の音も忘れない。 感覚を研ぎ澄ませば、此所から、そう、遠く無いだろう。 小さな玉ではあるけど、移動する事は、可能。 音楽に、合わせて、色んな言葉が流れてくる…。 ー…とても。 穏やかな感情。 何だか、楽しそう。 思わず…。 僕まで、鼻歌を歌いたくなる。 『広がる世界は、壮大なスケールを味わえる舞台。指揮者(タクト)を、取って、演出者に、合図を出す。観客を…虜にするシーンで、一気に…』 ズドーンと、衝撃を与える。 鳴呼、この瞬間が、堪らない。 心が…。 踊っている。 これは、華やかな紅茶を、一杯。 バニラの香りを堪能しつつ、薔薇が浮かべられたオリジナルティー。 普通に飲むのよし、ミルクを淹れても良いが、鼻で楽しみたいならストレートティーだろうか。 ー…飲みたい。 芳しい薫りに包まれながら、ティータイムを、楽しむ。

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