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【静欄side】
私は、三男の事を、考えていた。
はにかむ笑顔で、可愛らしいのは、解っている。
しかし、誰に似たのか。
どう、考えても、夫ではないわ。
ー…覚醒遺伝かしら?
ま、それより、甥っ子にあたる結奈の弟、湫の許婚。
確か、冥界王族の血が、混じっているという話を、耳にした。
叔母の結婚について、一族集まって、話し合ったから解るわ。これだけ、噂になっているのに、顔を見せないのは可笑しい。
社交界で、一回、来たらしいけど、生憎、私は、下界に、視察で、留守だったのよね。
『叔母様似の子でしたよ…』
惜しいわ。
私も、見たかった。
『聞きました?静欄。私の息子、叔母様の御子が、許婚同士ですの』
『結奈?』
『いいえ、湫ちゃん』
『湫の方か…』
嬉しそうに話すから、つい、結奈かなと、思っていたら。
湫の方だったから、驚いたわ。
霰月も、考えたものよね。
『結奈は…どちらかと、言えば、二次元に、求めてるし、それなら、湫の方が、適していると、思っただけです』
目の前に居るから、突っ込みにくいけど、契り交わす相手が、居るのかも不明なのよね。
顔は、問題無いし、それなりに、貴族の令嬢に、モテるのは、解っている。
けれど、仕事に関して、弟に、顎に使われるのは。
。
思わず…。
私は、遠い目を、向けた。
『二次元…』
『最近は、下界でも流行っているアニメの世界。世の人は、惟しの子を『嫁』と、言うらしいわ。私達の時代には…無いわよね。だって、アイドルが、恋愛禁止の時代みたいな感じだったし!もう、あれよ』
し、知っている。
知っていますわ。
ー…●森●●●。松●聖●。
そして。
石●●●●。
下界で、言う、三代歌姫。
私も、ファンだ。
特に…。
●●●。
凄く、青春を、感じるわ。
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