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表の世界で、光を、浴びて欲しいと、願うのは、エゴだろうか。
そうまでして、己が、息子に継がせたいのは、彼の有名な夜の支配者『月読尊』。是非とも、兄共々、立派な神になって欲しいのだ。
誇らしく『母様…父様のプレミア写真を、くれると、嬉しいなう』と、言ってくれたら、何時でも、売り捌くのに。
それに、冥界機関内の事が、纏まった本。
ー…あれは。
脅すしかありませんね。
兄様を。
「まぁ…叔母様が、決めた事を、ソナタが、呑んだなら、文句は、言えない…」
「あの子、夢の中で、呼吸しているんです。少し、特殊で…精霊にも…好かれやすい。だから、天界での生活を、選んだのは、間違いでは無いわ。冥界で、自分の血筋を、知る事は、大切。己が、成人した時に、どちらの血が、呼び掛けるか…楽しみ」
“グラーデン”の血筋か、月影帝の血筋か。
彼女の科白に、レディーヤは、息を飲む。
嘗てないぐらい、ウキウキしているのが、伝わってきた。この、幾千と、見た事が無い限り、レイナは、楽しみにしているのが解る。
そんなに、靉流という、息子が、育つのが、嬉しいのか。
「ソナタは、息子に、何を求めている…」
「それを、私に、応えさせますか?私は、月詠尊の血筋を引きながら、魔族の血を引いている者です。でも、息子には、明るい未来と言いたい所ですが、歴史に、触れて欲しいのです」
そう、願うのは、間違っているのか。
純粋に、育ってきたのだから、少しばかり、我が儘を、通しても良いだろう。
「時空潜らせる技まで、教えていたら、私は、何も言えない…」
「ふふふっ」
「今宵は、彼方も忙しいだろうな。冥界王族“グラーデン”の皇子が、人騒ぎ起こしているなら…」
きっと、楽しくって、仄かに微笑みながら、彼を、探しているに、違いないと、思ったレイナ。
そいゆう場所に、連れて行ったのだから、先ず、迷子にはならないから安心する。
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