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「そいゆう所、相変わらず、直らないのか!私達は、結ばれる為に、生器というのを持った。元々、生殖をしない限り、増えないという事を、学んだからな…。女神とは、お前しか居ないんだぞ」
ごもっともの意見を、述べているエンディーに、呆れ顔をしたもう一人の人物は、うす緑色の髪を靡かせる。
こうなっては、駄々を捏ねる彼を宥められるのは宇宙を探しても、一人しか居ない訳であり、普段、穏やかな彼女が、怒るにも、理由があった。
確かに、子孫を残す事も、大事だが、育てる場所が無ければ、話にならない。
僅かながら、水が存在する世界が、存在した。新たな生命を誕生させるには、十分な要素。
だが、植物から始めたのは、息吹きが、芽吹くかが、不明。
ー…実際、三人じゃないんだけどな。
他の者は…。
時が来るまで、眠りに就いた。
「それに関しましては、実験が終わってからだと、申しましたよ。そして…何時まで、傍観してますの!アンディーテ…」
「君が、杖をしまうまで。だって、レイナが、杖を使ったら、以前、兄が最悪な姿をしていたじゃないか!」
「あれは、彼が、私のデザートを、食べたから仕方ないじゃありませんか。これを、死刑にしないで、如何なさいますの?」
「あぁ、報われない兄。恋は、見事に、破産…」
遠い目をしながら、以前の出来事を思い出したアンディーテと、呼ばれた男性は、兄の恋路が、破産した事を、痛感した。
この地に足を付ける時、兄は、彼女に、告白する筈だった。だが、たった今、散っていったのだ。
「アイツも、狙っていたのか!」
「狙っていたも、何も、エンディーみたく、邪な想いじゃなく、純粋な想いね…」
釘を刺すアンディーテ。
「というか、エンディー卿、死にやがれですわ…」
見事に、杖が、頭に、クリーンヒットした。
心の中で『痛そう』と、思いながら、成仏して欲しいと、思う、彼は、静かに、合掌をする。
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