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何時も、驚かせぱなっし。
今宵の月も、また…。
君を、待っているのかも知れない。
ー…この。
無数と、広がる世界に。
神々は…。
一つの種を落とした。
それは、小さく。
ほんのり光輝くのを、女神は、見たらしい。
新たな芽吹きを感じる瞬間…。
貴女は、何を、感じてくれるのだろう。
『これは、僕の想い出。父様には、秘密』
未来の僕は、嬉しそうに笑う。
鳴呼、あれが…。
『そうやって、夢を見るのね。●●●…』
ー…未来の母親。
実に、優しい。
僕の夢へと、誘うのは、やはり。
貴女なのかも知れない。
どんなに、小さくっても、芽吹いて見せたい。
ー…叶えたい、夢がある。
あの、本の様に…。
『ほーっ、小さき、魂が、同調するとは』
長い銀色の髪が、風に靡いている。
『私と同じ、匂いがする』
どんな匂いなのかは、不明だけど。
眩しい光の中に見えたのは、神々しく輝く、白い羽根が見えた。
ー…凄く、綺麗な顔をした女性。
まだ、目覚める時間じゃないから。
夢の世界で、眠る。
ゆらゆらと…。
揺れる蜃気楼の如く。
僕は、夢の波へと、揺られて。
冥の世界へ、包まれていく。
『華が、咲き乱れる…』
目覚めるは、僕の中に眠る者かも知れない。
ー…ぶふっ。
思わず、大きな体内の中で、微笑ってしまった。
『鳴呼…そうか…』
君は、まだ、鼓動を打つには、早いと。
可笑しい…。
『お止めなさいと、申しましたのに。何時までも、私に拘るから、そうなるのです。いくら、頑張ろうと、定められた宿命から逃れられませんのよ。叔父様…』
目を瞑りつつも、解る。
この、未来は、暗躍。
ー…恐い。
だけど、僕は、生まれる。
全てを,…。
司る母親。
“レイナ・セィラ・サファリア・リオ”。
僕を、生むために、罪を犯した神。
汝の罪を報いる為、愛ある形に、囚われながらも。
我を、愛する事を、誓い。
この世に、誕生させるにあたり。
誓いを立てましょうか。
ー…エンディー。
貴方が、狂う神になる前に。
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