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【エンディーside】
俺と、レイナが出逢ったのは、聖界だった。
晴天な空の下で、風に吹かれた白い花弁が、舞い上がる瞬間、彼女は、長い髪を、靡かせていた。
その時、息が止まったみたく、ハッと、驚かされる。時間が、一瞬だけ、止まったみたいに、其処だけ、印象的なイメージが、残っていた。
「で、本日のワインは?」
「俺の國で造ったワイン…」
最高の白葡萄を、使ったワインだ。
レイナは、この味を気に入っている。
最初に、口に入れた瞬間、口あたりに広がる爽やかな味わい。完熟された身を使った魔界特製白ワイン。
何時か、販売しても良い品だ。
女神は…。
この味に、惚れ惚れしている。
「今度は…シャインマスカットという品種を、使ってみたいわね。甘くって、スッキリした味わいになると嬉しいなんだけど」
「昔ながらの方法でやっているからな…」
「豊穣を願い、樽にたんまりと入れた葡萄を、足で潰していく。更に、その場面は、絵画にもなっている有名ですわ」
博識な所も、魅力だな。
俺は、彼女との子供が欲しい。
「美しい光景が、浮かぶよ。是非、冥界に、飾りたいね。我は、最高機関を、何時か創りたいよ。冥界王族でも、働ける場所を設けたい」
「良いわね」
「最高幹部が、育てられるかも知れないな…」
「でしょう。だけど、この世の万物に、従わないといけない。例えば、今、眠っている同朋が、どう、思うか」
アンディーテなら、出来るかも知れないな。
冥界の今後を、考えたら、新たな世界を創るのも、一理ある。そいゆう風に考案していたら、俺も、魔界に、取り入れたい。
魔界王族も、多くの仕事をこなせば、少しは、喜びを得られると、思う。
「でしたら、私は、聖界に、御子が、暮らせる場所を設けたいわ。可愛らしい娘が、生まれる予定なの。しかも、その子の、子孫は、少し、特殊で、代々、受け継ぐ」
初めて、聞いた。
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