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そうか。 俺も、ソナタと、見てみたい。 光と闇の調和を取りながら…。 奏でてみたくなった。 ー…最高のエチュードを。 「うわっ、また、裸になって、思い出したの?」 「失礼ね…。私の、お風呂シーンを、浮かべるのは、エンディーだけで、十分だと思っていましたわ…」 彼に、ツッコミを入れる辺りが、凄いな。 というか、レイナの中で、俺は、何なんだ。 早々に、浮かべた事は無い。 「アンディーテ、お前、裸になったレイナに出会した事があるのか?」 思わず、聞いてしまう。 「ある訳無いでしょう。ただ、レイナの癖だと把握しているだけ。ほら、今は寝ている従妹様が、申していたから…」 「あぁ、彼女か」 「…」 「『レイナは、本体と、精神体が、違いがあるだろう?まぁ、お風呂入る時は、一番気を付けないといけない。彼女は…突然と思い出したら、全裸で出ていく癖がある』と…普段、寡黙な彼女が教えてくれた…」 それ…。 従姉を、売っていないか。 彼女は…。 確か、魔族だったよな。 「ー…“セレティゥス”…」 ボソッと、吐かれた名前。 「恐いぞ」 「そうですか?あ、話逸れましたが、生まれてくる御子の特徴としては、時空を操り、時が来るまで、眠る。夢の中で生きるという特殊な体質を持っている五番目の子ですわ…」 それは、五番目に生まれてくる御子は、特殊な力を持っているという意味なのか? 夢の中で、生きる…。 「そいゆうのは、冥界にも伝わっているよ。我の世界は…月が双つあるからね…」 「そうね。貴方の納める國では、逸話が、存在しますものね。後、何回か、転生した時に、思い出しますわ…」 「この世の万物に、従ってか…?」 その時は、気付かなかった。 ー…レイナが、あの瞬間、魅せた表情は。 全てを、見透かした瞳だった。 「秘密…」 あれは、この世には、幾つもの、罪が存在すると、言われている様だった。

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