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ー六千後
この世に、生まれた御子は、命を吹き込む事が出来る創造神として育ちました。
そして、唯一無二の愛らしい顔をした宝物として、女神の癒しの存在となりました。
『ー…母様…』
『あ、こら。●●●』
素敵な宝物を、貴方がくれたから私は、共に覚悟をしました。
嘗ての過ちを繰り返さない様に、一から摘み直そうと、考えたわ。だから、彼女が『暁方(あかつきがた)』に、生まれた事に、意味がある。
何とも言えない美しい景色を、見た気がする。
「『後、三千年』?」
「何が…?」
「後、三千年後に、私と同じ、暁の日に生まれる御子が居る!こうしてはいられない…。今の内に、繋げなければ。大変な事になる」
鳴呼、何と、父親似なのかしら。
慌ただしく…。
重要な事に、気付く子。
では、次の問題は解けるかしら●●●。
冥界王族“グラーデン”。
貴女も、深く関わる事になる。
同じ調和をした御子を、見た時、果たして、貴女は、何を抱くのかしら。
「ちょっ、ちょっと、何処に行こうとしている…」
「父の元だ。こいゆう分野は、魔界帝国随一の頭脳を持っている父を…頼るしかない。それに、彼女の事を、一番、理解しているし」
「善は、急げって事か?」
「…鉄は、熱い内に打てという意味だ」
其処に、着眼点を当てるとは。
困った子ね。
ー…アスタロト。
流石、貴方の子ですわ。
あの時の約束を、果たしましょう。
「無謀過ぎる…」
呆れた表情、兄様の血を引くだけありますわね。
この、チャラ男…。
従弟に、似ていて苛々します。
『当初…そんな事を思っていたのですか?絶対神…』
ー…教えませんわ。
『誤魔化さないで頂けますか?』
これは、誰に似たのかしら。
きっと…。
母方の家系に似たのでしょうね。
チャラ男。
『主に、今のは、嫌味と、捉えて宜しいですかね。義母様…』
コイツ、未来に、何を託そうとしているのかしら。
一辺、時空の海に引き込んでみようと、思いますわ。
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