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はたから見れば野心を露にした瞳。
中性的な顔をした男は、ニヤリッと口元を上げた。
手にしていた置き手紙をグシャリと握り潰すなり、ゴミ箱へ捨てる。
今から長年と世話をしてきた男と、哀れにも程がある御曹司の対決が切って落とされた等と誰も知る由はなかった。
この事実を知るまでは…。
「首を洗って待っていて下さいね。私の愛する深季様…」
今頃、何処かで彷徨っているであろう彼の元に届く様、念を込めながら。男の科白は風と共に運ばれて行った。
「言って聞かぬなら、行動で言い聞かせる。これ、龍華家の家訓也…」
家を出て行った事を死ぬ程、後悔させようと心の中で密かに誓うのであった。
可愛さ余って憎さ百倍とは、こいゆう時に使うと思っている。
どんなに可愛くっても…。
家出をする許婚には。
それなりのお仕置きを。
四十八手をするには、良い機会だな。
私の気持ちも知らないで …。
ちょこまかと、逃げ回って。
あ、ちょこまかという言葉は似合いませんね。
彼…。
百八十一あるんでした。
ー…忘れていた訳じゃないけど。
苛々の方が募っていて、忘れる所でした。
まぁ…。
身長が高くても、不幸体質である事には変わりない。
あちら系の方によく好かれる特殊能力があるのを付け加えておきます。
これは。
私と彼の母親と彼しか知らない。
ー…秘密です。
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