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名前は『鳴澤 奈篦(なるさわ なの)』。
今年、二十六歳になるが全然二十代に見えない童顔。そう、俺が恋に落ちた彼と同類の童顔なのだ。
但し、容姿と異なるのは性格。
「ちょっと、ド変態野郎…聞いてます?」
「え、あぁ」
「…嘘ね。全く、クソ忙しい時期だと解りながら私を呼び出すなんて良い度胸してるわよ。お前は」
俺の前では素を出しているが、家の者には…。
口に出しても言えない。
「ほら、お前が欲しがっていた情報よ。運が良いと言うのか、悪いと言うのか…龍華家のボンボンに惚れるとは…」
「俺…相談相手間違ったかな…」
「はっ」
彼女の顔は引きつったまま、俺を睨み付けた。
「いや…何でもありません…」
「解れば良いのよ、ド変態野郎っ」
親族の方々が一目置く意味を常々、共感する。
ただ、毒をたっぷり味合わす性格だから、俺的には軽く痛い。
これが彼の前だと、しおらしくなるのかと想像したが。頭の中がモザイクだらけになった。
考えて、消去する間、ポカーンとした顔が鏡に映ったのを忘れない。
あれは、消し去りたい俺の間抜け顔…。
もう。
浮かべるのは止めようと決意した。
それも、小説執筆している時だったから余計に、危険信号が鳴っていたのは言うものではない。
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