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その結果が今の暮らしなのだから、良しなのだろう。 誰からも監視されず、好きな事を好きな時間にやる。深李からしてみれば、今の生活は天国そのもの。 但し、一つを除けばの話…。 問題は深李の体質。 『美味しそうな体してんなっ…』 「なっ」 『お前、視える側か…。ふんっ、まぁ良い。次の機会に取っておくよ!』 突如、目の前に現れたのは幽体の長身男性。 不適な笑みを浮かべるなり、消えていった…。 「一生ねぇ-よ」 頭を抱えるなり、深李は既に居ない相手に悪態を付いた。 そうだ、深李の体質は不幸にも霊媒体質。それだけじゃない、道を歩いていると百パーセントの確率で男性に声を掛けられる。 不幸に不幸が重なった体質の持ち主である。 彼からしてみれば、内心、五月蝿いと思っているが。相手側はそれを阻止しようと企む。 よって、ボディーガードが必要になったのも確かなのだけど、今考えれば良かったのか悪かったのか、さっぱり検討が付かない。 ー…というか、清めたのに出てくるんだなぁ。 母上様の超高級品そうなお清めセット持ってこれば良かった。 身の安全を称して、結界張れた筈…。 祓いは出来ないが、結界くらいは張れる。 昔にやって以来だから、手順が当たっていればの話だ。そうしたら、今みたいなモノも入って来れない。

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