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第三話:先祖は海王ですが何か?

【深李side】 昔々、とある國には海龍を祀る者達が存在した。 それは現代の子孫にまで、代々と受け継がれ、由緒正しき家系として発展されたと言われている。 海龍とは海の王の事を示す…。 現代で海龍を祀っているのは『龍華家』ぐらいなものだ。 龍華家は海王を先祖として持つ者達を表す。律儀に屋敷には美しい海王の絵が飾られているのも特徴だろうか。 幼い頃は『美しい女性』だなと思っていたけど、年齢を重ねる毎に自分が霊の類いを寄せ付ける様になったのは絵にあるんじゃないかと思い始めた。 俺は、包丁を持っていた手を止め。 時計を確認した。 間違ってなければ、大抵は、この時間に起きる。 「ふぅぅ…」 時刻は、午後四時…。 俺は深い深呼吸をし、気持ちを落ち着かせた。 何で、こんなに緊張するのかって? それは、ご先祖様が非常に薔薇の棘ならぬ、刺々しい毒を吐く女性だからだ。 起きる時間より、早く起こした場合だけど…。 若い頃に既に経験済みで、あれからは本人が起きる時間まで起こさない様にしている。 だって、第一声が『ソナタ、妾を起こしたらどうなるのか解らぬのか!』と、ドスの聞いた声が響き渡った。お陰で、屋敷内に飾られている骨董品が揺れ、落ちるんじゃないかと内心焦った頃があった。 だが、一番の問題は…。

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