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龍華家は鳴澤家と同じで名門。 憚らず、家系の中には、特殊能力を開花させている者も居る。無論、優雅に紅茶タイムを楽しんでいる二人も例外ではない能力を持っている。 特に志龍は、龍華家を代表する『姫』の位を持っていて、一族を担う立場。 そして…。 誰でも最初は、固まってしまう。 「海龍を祀る家系が龍華家。古来から、姫の嫡子だけが、身に龍を宿らす。本来なら、光栄な事だと、喜ぶべきなのだが…。私の息子は、そうじゃないらしい…」 然程、女性と年齢が変わらない様にも見える。 これが、周りの者を固まらせる理由だ。 彼女は只今、家出をしている深李の母親である。 「恐いお母様です事」 「ふんっ、鳴澤家の姫君である奈篦に比べれば、私のは、可愛いレベル…」 「まぁ」 女性の発言に驚く表情をした彼女は、心の中で笑った。 あの、ド変態野郎…。 やっぱり、私に感謝するべきよ。 ここまで…。 志龍を楽しませるんだから。 息子に厳しいのは知っていたけど、その、ゲームとして楽しむのはどうかな?と、思う部分もある。 まぁ、私より可愛いレベルが解らないでもない。 彼女は一人、納得しながら、女性が息子に仕向けた罠を何となく理解した。 間違ってなければ、小説の題材にするのは目に見えている。つまり、従弟も犠牲になるのが、確定したと捉えたのであった。

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