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彼女が描く小説は、所謂、男性同士の恋愛を書いている。 世に言うBLというジャンルなのだ。 ー…それを。 息子と従弟の物語を一冊の本にしようと、考えている。 だから、私からも…。 「先祖が海王なんて光栄な事よ。そこを、志龍の息子さんは知るべきね。だって…“龍王 ”自ら選んだのでしょう?」 「…」 志龍を煽ってみた。 『貴女も楽しそうね』と言葉が、つい、出そうになり、彼女は唾を飲む。 息子の世話係が闘心を燃やしながら隈無く探し回っているようだが、好きにさせておくつもりだった。だが、そのまま黙ったまま見過ごすしておくのは出来なくなったと、悟る。 “龍王”は、昔から息子が幼い頃から見えない所から見守っていた。 龍華家の血筋の者で“龍王”自ら寵愛を掛けてくれる事はない。 息子自身が全く持っての無自覚のせいか…。 『自分には能力が無い』と思っている部分があるのを女性は知っていた。 けど、実際は違った。 “龍王”の、お心遣いで息子の中にある元々の力を抑えているのだ。 本当の事を教えないのは、マイナス思考を叩き直そうと思ったからである。 「だから、深李は馬鹿なのよ」 “龍王”が息子に接触したが、それを拒み続けた。 何を恐れているかは、大方、予想は付く。

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