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第四話:身長181センチの男は身分証明書と友達です。(深李side)

あぁ、ちくしょう!!! まだ、半日しか経ってないのに、彼女のせいで疲労困憊。 仕方なく、コンビニへ行く事にした。 俺は、カゴに、麒麟ビールグリーンラベルの三百五十ミリの六個入っている缶を入れた。ツマミは家で軽く作ったので、ビール以外は無視をした。 「すみませんが、身分証明書の提示をお願いします…」 「…っ」 おい、何で、このコンビニでも身分証明書を提示しなきゃいけないんだよ。 見た目で判断出来ない時代だとはいえ、俺は四十半ばだぞ。 心の中で悪態付きながら…。 「はい、身分証明書」 素直に、見せてしまう。 大体、可笑しい。 身長百八十過ぎで、四十半ばの男が、身分証明書を確認されるとか。 「七百四十円になりますね…」 「千円からで」 「…千円からですね」 ー…んっ? 俺、まだ、財布出してないぞ。 というか…。 何処かで、聞いた様な声だなぁ。 伊達に母上様の小説を朗読している訳じゃない。 声を聞けば、一瞬で誰か解る。 これは、間違いなく危険人物ベストワンな気がしてきた。 声のトーンが若干、好青年に聞こえるんだ。 俺の耳、母上様仕込み。 役割が解る耳と化していた。 それも大事だから、鍛えているんだけど、好青年は好青年でも、攻めか受けかが今だ解らない。

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