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3-2
久しぶりに、彼方に意識を飛ばした。
「ありがとうございましたぁ、またの、お越しを…」
店員の声が鳴り響く店内を、俺は急ぎ足で出た。
奴から逃げる様に。
早足で、スタスタと。
「ちょっと、深李さん。ビール、ビール!!!」
ビールは、この際、諦める。
「お前が、払ったのだから、やる。じゃあな…」
だから、着いてくるな…。
「これは、深李さんのですよ。それに、何で急ぎ足なんですか?」
「…」
お前と出会したからだよ。
普通は、コンビニで会うとか思わないだろう。
でなければ、俺が実家から離れた場所に住む訳がない。
つまり、お前と、出会す設定なんて毛頭も無いと思っていたんだよ。
此処は、安全だと、安堵しきっていたのがいけなかった。
身元バレではないが、彼方系の男にバレるとか予想していなく。
完全に、俺が負けた感漂う感じになっているあたり、ゲームで言うと『ゲームオーバー』みたいな科白が出てくる。
だが、悔しいので降参したりしない。
あれは、あくまでゲームの世界での話で、今は、どう回避して家まで辿り着くかが難関だ。
足の速さが何故か、一緒になりそうで…。
ー…嫌だ。
急いで距離を取った。
追い付かれては、元もこうもない。
家に帰るだけなのに、矢鱈と時間が長い気がしてきた。
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