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「俺、深李さんに逢えるなんて思ってもみなかったんですよ…」
あぁ、俺もお前に逢う事は無いと自負していたよ。
ほんの数分前まではな…。
だが、前略撤回!!!
時代劇とかで『ここで会ったが、百年目。覚悟ぉぉ!!!』と、あるけど。百年間の所か、来世末裔、未来永劫、会いたくない。
「はぁ…。仕方ないですね」
短い溜め息が聞こえたが、完全無視。
「まさか…“龍”が、ココまで往生際が悪いとは」
「なっ…」
背後から捕まえられた俺は、モソモソと、動く。
「深李さん、先ほど、大切な事を言うのを忘れていました」
「…」
「身長、百八十一センチある貴方が」
低音ボイスが耳に響き渡る。
思わず、唾を飲んでしまう自分が…。
「身分証明書を確認されるなんて、想像していなかったですよ。毎回、あんな感じなんですか?」
ー…み、見られていた。
俺の人生終わりだぁぁぁぁぁっ…。
クソッ、涙が。
よりによって、見られたくない奴に見られるとか最悪という言葉しか浮かばない。
四十八歳で、身長百八十一センチもある男が、コンビニで身分証明書を見せている姿なんて、笑いたくなるネタだよな。
けれど、俺は豪語する。
悪かったな。
身分証明書と友達で…。
お前なんか、単なる鼻くそだ。
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