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「…っ、中華は家で、よく口にしていたから自然と身に付けた」
そういや、分家である『倉科』の血を引く者が、台湾と中国だったな。
深李さんの場合は、父親側が中国の桃源。母親側は台湾の台北と聞いた事がある。
一時は、沖縄に出稼ぎに来て、店を一つ開いたと小耳に挟んだ。
中華に縁が深くって当たり前か…。
「俺、中華では麻婆茄子や麻婆豆腐、エビチリ等が好きです!」
「…」
「深李さん?」
「こ、今度作ってよっ…」
この人…。
自分が言っている事に気付いているだろうか。
それは、俺を自分のテリトリーに入れるという意味を表しているのに。
ー…天然?
それなら…。
俺は遠慮なく踏み入ってしまうけど。
「と、とりあえず…飲む?」
確定…。
深李さんは、絶対、天然だ。
あんな警戒していて、威嚇していたのに。
自分で範囲を許してしまうんだから。
不思議な人だ。
ま、そこが良いんだが。
俺に襲われるとか考えないのか、少し心配だ。
彼、無防備過ぎて。
自制が働いているから、襲ったりはしないが。もしを考えた時、深李さんはどうするんだろうなんて心の奥で思ってしまう。
多分、溝内を殴られるだろうな。
そいゆうのに、免疫無さそうだから。
きっと、俺を攻撃して、最後に打撃を与えていそうだ。
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